英語を勉強していて非常に苦労するのが英単語の暗記です。
英語を身に着けたいのならこれだけは避けては通れません。
今までに「英語が苦手です」という生徒を何人も見てきましたが、全員に共通することは覚えている英単語の数が圧倒的に少ないということです。
ほとんどの場合、英単語を暗記すればするほど英語に対する苦手意識は薄れていくのですが、その暗記というのが非常に大変な作業なので、できなくて苦労している人は多いのが現実です。
英単語を暗記するうえで、絶対にやってはいけないこと・やるべきことを書いていき、この記事を見た皆さんが少しでも効率よく、楽に英単語を覚えることができるようになれば幸いです。
英単語暗記は頻度が命
英単語の暗記にはとにかく頻度が重要です。
頻度とは要は、どれだけ多く、覚えようとしている英単語と出会うかということです。
まず大前提として知っておいてほしいのは、英単語には「難しい単語」「簡単な単語」というのはありません。
apple(りんご)もgraft(移植)も何の変哲もないただの英単語です。この2つにはスペルや発音が難しいなどの違いは特にありません。
ではappleは皆知っているのにgraftは知らない人が多いのは、何が原因なのでしょうか。
答えは、どれだけ世の中でよく使われるか=どれだけ普段から目にすることがある単語かということです。
apple(りんご)なんて単語は中学校の英語の例文などでもよく出てきたでしょうし、なんなら日本語にもなっていたりと、僕たちの日常生活に染みついています。つまり普段から頻繁に目にすることがあります。このような単語は必死に暗記しようとせずとも、何度も出会ううちに自然に覚えることができます。
一方graft(移植)なんて単語は日常的に見たことは一切ない人が大半だと思います。ちなみに僕はこの単語は英検1級用の単語帳で初めて知りました。
このような滅多にみない単語は、自然と覚えていくことは不可能です。
何が言いたいかというと、普段から頻繁に目にする英単語は、必死に覚えようと努力せずとも勝手に覚えていきます。
さて、ではこの論理を単語帳を使用した単語暗記に活かすとしたらどうなるでしょうか。
単語帳1冊(約2000個)の単語を覚えようとした場合
◆NGな単語帳の使い方
1日50個の単語暗記を頑張ろう
<1日目>1~50の単語を赤シートなどで隠しながらしっかりと意味を覚えた。
<2日目>51~100の単語を赤シートなどで隠しながらしっかりと意味を覚えた。
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<10日目>451~500の単語を赤シートなどで隠しながらしっかりと意味を覚えた。
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<40日目>1951~2000の単語を赤シートなどで隠しながらしっかりと意味を覚えた。
<41日目>1~50の単語を赤シートなどで隠しながら再度意味を覚えた。
このようなやり方ははっきり言って最悪です。
上では少し極端な例を書いてしまいましたが、このようなやり方をしている生徒は多くいました。
このようなやり方をしている人は「1週目でしっかりと覚えたのに2週目ではほとんど忘れちゃってる・・・」と思った経験があるはずです。
先ほども書きましたが、単語を覚えるなら頻度が非常に重要です。
ですが、これでは覚えようとしている単語と出会う頻度は月に1回程度になってしまいます。覚えられるわけがありませんね。
時間をかけて努力をしたのに、得られるものはほとんどないという最悪な結果になってしまいます。
このような無駄な努力を続けていくうちに、どんどん英語に苦手意識を持ったり、英語が嫌いになっていく人も多いかもしれません。
これは学校で単語帳は買わせるくせに使い方を教えない先生にも問題があります。というか先生のせいですね。
◆オススメの使い方
大事なことなので何度も言いますが、単語暗記は頻度を意識してください。
よって無理に暗記しようと思って赤シートなどで隠して頭に詰め込まなくていいです。
単語と見出し語の意味だけ(太字などで強調されている意味)を目に通すだけでいいです。
大げさでもなんでもなく、1単語にかける時間は1秒くらいで大丈夫です。
そのまま単語と見出し語に目を通しながらひたすらペラペラと単語帳をめくってください。
また単語帳は大抵、よく使われるものなど重要なものがページの最初の方に来ていることも多いので、最初から1冊全部覚えようとせずにとりあえず最初の600個だけ覚えるというようなやり方もありです。
よってオススメの方法は
<1日目>隙間時間などを使い1~600の単語に目を通す。
<2日目>隙間時間などを使い1~600の単語に目を通す。
<3日目>隙間時間などを使い1~600の単語に目を通す。
<4日目>隙間時間などを使い1~600の単語に目を通す。
と覚えるまで何度も繰り返すことです。
通勤・通学の電車の中、学校や会社の休憩時間、トイレでう〇こをしている時、探せば一日の中に隙間時間はたくさんあります。このような隙間時間を少しずつ単語帳を見る時間に変えていけば、1日600個の単語に目を通すなんて何も難しいことはありません。
そして最初は目を通すだけでは覚えている感じはしないかもしれないですが、しばらく続けていればだんだんと覚えてきます。
600まではもう十分覚えたなと思ったら今度は601~1200までの単語を同じように毎日毎日目を通す作業をすればいいです。
正直言ってこの作業はつまらないかもしれませんが、覚えようと意識する必要はないので大変ではないかと思います。
英単語を覚えるのは単語帳だけではない
先ほど説明したやり方で英単語はかなり覚えることができます。
しかしそれだけで全て覚えようと思うとかなり大変です。
常日頃から英語長文を読むことで、その中で「あ、これ単語帳で見たやつだ!」となり、その瞬間にただ単語帳をペラペラめくっていた時よりもグッと記憶に残すことができます。
英単語暗記のためにも、単語帳と並行して英語の長文にも日常的に触れるというのはとても重要です。
また、そうすることで自分が覚えた英単語が実際にどのような場面でどのように使われるのかというところまで覚えられるので、それが積み重なることによって自分の英語力のコアが鍛えられていきます。
(余談)覚えても忘れてしまうのは当たり前
単語を覚えるのが苦手という生徒に話を聞くと、「頑張って覚えても翌日には忘れてしまう。自分には暗記は無理だ。」というようなことを言う生徒がいます。
諦めないでください!それは当たり前です!
人間は自分の興味ないことや、生きていくのに必要がないことは忘れるようできています。
忘れてしまうのは当たり前で、大事なのは同じ単語を覚える→忘れる→覚えると何度も繰り返していくことです。そうすることで段々と長期記憶となり、覚えてから忘れるまでの期間が延びていきます。
また一度忘れてから再度覚えなおすまでの期間も、「エビングハウスの忘却曲線」などを参考にするのも非常に良いです。