学習方法・コツ

英語の勉強は何から始めるべきか

いざ英語を勉強しようと思っても何から手をつければいいのか分からない人も多いのではないでしょうか?
単語帳や文法書を買うのか、英会話教室に通うのか・・・
中には「3カ月で英語がペラペラに!」とか「暗記不要!」みたいな宣伝文句の怪しい英語教材を高いお金を出して買ってしまう人もいるかもしれません。(絶対にやめてください)

そもそも英語が受験で必要なのか仕事で使うのかなど、目的によって必要な勉強方法は異なります。
「英語をこれから勉強したい」「英語が苦手だ」という方のための勉強方法について話していきます。

英語学習における大原則

まず始めに英語には4技能というものがあります。
それはリーディング(読む力)・リスニング(聞く力)・ライティング(書く力)・スピーキング(話す力)です。
この4技能にはそれぞれを伸ばすための異なる勉強方法があります

ですが、大原則として覚えておいてほしいのは、読んでも理解できない英語は聞くことも書くことも話すこともできないということです。英語を勉強する目的がビジネスで使用するなどでスピーキング能力を伸ばしたいと思っても、まずはそのビジネスで使用するレベルの英語を読んで理解できるようにならなければならないのです。

英語学習者にとってリーディングの力こそが全ての基礎になると言っても過言ではありません。

もちろん海外で育って小さな頃からネイティブの英語に触れてきた、という方であればこれはまた別の話になりますが、日本で生まれ育ち英語を外国語として学ぶ方であれば、まずは読んで理解できるようになるということを目標にしてみてください。

英語を読めるようになるには

では英語を読めるようになるにはどうすればいいのか。

答えは非常にシンプルです。

英語というのは基本的に英単語が文法という規則に従って順番に並んでいるだけです。

なので英単語をたくさん覚えて、文法さえ理解すればそれだけで英語は読めるようになります

逆に英語が読めないという人はほぼ必ず単語か文法のどちらかに問題があります。

英単語暗記は自分で頑張るしかない

僕も今まで英語が苦手という生徒を多く見てきましたが、彼らに共通することは圧倒的に覚えている英単語の数が少ないということです。絶対に知っていなければいけない単語ですら知らないなんてザラです。

そして残念なことに英単語の暗記は自分でやるしかありません。
覚えるコツや語源などは他人から教えてもらうこともできますが、基本的に英単語を覚えようと思ったら誰かに教えてもらうのではなく、自分1人で時間をかけて地道にコツコツと暗記していくしかありません。学校の授業を一生懸命真面目に受けていたとしても、単語暗記を自分で頑張らない限り一生英語を読めるようにはなりません。(もちろん授業で単語を覚えさせるような活動をしていれば別ですが)

そして更に残念なことに、英単語は覚えても覚えても終わりがありません。どれだけ頑張ってたくさん英単語を暗記しても、知らない単語というのは常にあります。
ハーバード大学の研究者が行った調査では英単語は100万語以上あり、さらに毎年数千語ずつ増加していると言われています。全てを覚えるなんて到底不可能ですね。

もちろん全ての英単語を覚える必要はありません。英検なら英検で出てくる単語を、受験なら志望校の入試で必要な単語を覚えればいいので、自分の目標を達成するために必要な単語を重点的に暗記していきましょう。(単語帳などもレベルに注意して買わないといけませんね)

単語を覚えるコツは別の記事で書きます。

文法は中学3年間で習う範囲でほぼ完結している

まず中学で習う英文法はリーディングの力を支える非常に重要な基礎です。
これは英語以外の科目にも言えますが、基礎ができていなければ勉強の効率は非常に悪くなります。
逆に基礎さえしっかりとできていれば、「勉強しているのに成績が伸びない…」みたいなことはありません。やればやっただけ伸びます。

そして、これはあくまでも僕の感覚ですが中学3年間で習う文法知識で、共通テストレベルの長文であれば読むのに必要な知識の9割以上はカバーできます。

なので高校でやるような複雑な英文法は置いといて、とりあえず中学3年間の復習ドリルなどを使い、中学英文法をマスターすることを目標にしましょう!

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そんな訳ねーだろ・・・


と思った人もいると思うので以下を見てください。
これは令和3年度大学入学共通テストに出てきた長文です。

Five years ago, Mrs. Sabine Rouas lost her horse. She had spent 20 years with the horse before he died of old age. At that time, she felt that she could never own another horse. Out of loneliness, she spent hours watching cows on a nearby milk farm. Then, one day, she asked the farmer if she could help look after them.

The farmer agreed, and Sabine started work. She quickly developed a friendship with one of the cows. As the cow was pregnant, she spent more time with it than with the others. After the cow’s baby was born, the baby started following Sabine around. Unfortunately, the farmer wasn’t interested in keeping a bull―a male cow―on a milk farm. The farmer planned to sell the baby bull, which he called Three-oh-nine(309), to a meat market. Sabine decided she wasn’t going to let that happen, so she asked the farmer if she could buy him and his mother. The farmer agreed, and she bought them.Sabine then started taking 309 for walks to town. About nine months later, when at last she had permission to move the animals, they moved to Sabine’s farm.

Soon after, Sabine was offered a pony. At first, she wasn’t sure if she wanted to have him, but the memory of her horse was no longer painful, so she accepted the pony and named him Leon. She then decided to return to her old hobby and started training him for show jumping. Three-oh-nine, who she had renamed Aston, spent most of his time with Leon, and the two became really close friends. However, Sabine had not expected Aston to pay close attention to her training routine with Leon, nor had she expected Aston to pick up some tricks. The young bull quickly mastered walking, galloping, stopping, going backwards, and turning around on command. He responded to Sabine’s voice just like a horse. And despite weighing 1,300kg, it took him just 18 months to learn how to leap over one-meter-high horse jumps with Sabine on his back. Aston might never have learned those things without having watched Leon. Moreover, Aston understood distance and could adjust his steps before a jump.He also noticed his faults and corrected them without any help from Sabine. That’s something only the very best Olympic-standard horses can do.

Now Sabine and Aston go to weekend fairs and horse shows around Europe to show off his skills. Sabine says, “We get a good reaction. Mostly, people are really surprised, and at first, they can be a bit scared because he’s big―much bigger than a horse. Most people don’t like to get too close to bulls with horns. But once they see his real nature, and see him performing, they often say, ‘Oh he’s really quite beautiful.’ ”

“Look!” And Sabine shows a photo of Aston on her smartphone. She then continues, “When Aston was very young, I used to take him out for walks on a lead, like a dog, so that he would get used to humans. Maybe that’s why he doesn’t mind people. Because he is so calm, children, in particular, really like watching him and getting a chance to be close to him.”

Over the last few years, news of the massive show-jumping bull has spread rapidly; now, Aston is a major attraction with a growing number of online followers. Aston and Sabine sometimes need to travel 200 or 300 kilometers away from home, which means they have to stay overnight. Aston has to sleep in a horse box, which isn’t really big enough for him.

“He doesn’t like it. I have to sleep with him in the box,” says Sabine. “But you know, when he wakes up and changes position, he is very careful not to crush me. He really is very gentle. He sometimes gets lonely, and he doesn’t like being away from Leon for too long; but other than that, he’s very happy.”

少し長いですが読んでもらえれば分かると思います。
共通テストでは高校で学ぶような複雑な文法はほとんど使われません。
青色の下線を引いたところは中学で習う文法ではないと思ったところです。少しだけ過去完了やら倒置やらが使われていますね。
ただそんなのは文全体から考えれば5%にも満たないんです。つまり中学英文法をマスターしていれば、共通テストの長文を読むという点では困ることはほとんどありません
大袈裟ではなく、英語がそんなに得意じゃない人(共通テスト7割も取れない人・英検2級も受からない人)は文法の勉強は中学3年間の復習ドリル的なのを使った方が良いです。間違ってもネクステなどの難しい文法問題をやらないでください。(時間の無駄です)

ちなみに僕は英検準1級を持っていますが、自慢じゃないけどネクステは半分以上分かりませんでした。つまり英検準1級レベルならネクステに出てくるようなレベルの英文法は必要がないということですね。

単語と文法を覚えたらあとは練習のみ

さて、最初にも書きましたが、英語は単語と文法が分かれば読めるはずです。

英単語は常に覚え続けるとして、中学英文法がある程度分かれば英文は読めるようになるので、あとは自分のレベルに合った英文をひたすら読んで英語を読むことに慣れる練習が必要です。つまり多読です。

「多読」がよく分からないという方はこちら

結局英語もスポーツや楽器などと一緒で、道具(文法・単語)を揃えても練習しないことには上達は難しいです。

とりあえずは多読だけでもいいですし、多読を中心としてリスニング・スピーキング・ライティングの練習を並行して行うというのもとても効果的です。

英語をこれから勉強したい方・勉強しても効果が出ないという方は是非この記事に書いてある内容を参考にしてみてください!